(いや、今の今までお前さんは、学校に行っておったじゃろい。)

「な〜んだ。」カナルは、てっきりジジが自分の心を読んだのだと思ってた。

(んで、学校でどうしたんじゃ。)

「うん、それがね…。」
カナルは、今日学校であったことをジジに話した。そして、自分だけに女の子の体から黒い煙が出ていたのが見えたことも話した。


ジジは、腕組みをして少し考えたと思ったら、ポンっと大きな本を出した。
ペラペラと本をめくって止まった所でジジは喋り出した。

(ふむっ。その女の子には餓鬼がついとるかもしれんの。イタズラずきでたちの悪い鬼じゃ。たぶん、イジメは女の子には何も原因はないと思うの、餓鬼は、何もしてなくても人をイライラさせたりして取りついたものに不幸を与えるのじゃよ。)

「可哀想だよ。その餓鬼はその子から離すこと出来ないの?」

ジジは、また本の続きを読み始めた。

(ふむっ。…無理じゃな。離すことは、出来ん。女の子の心に餓鬼がへばりついてるからな。無理に引き離そうとすると女の子の心は壊れてしまうぞ。)

「じゃあ、あの子は餓鬼がついたままの人生を一生生きなきゃダメなの?なんだか、可哀想だよ。どうにもならないの、ねっ、ジジ?!」


(まぁ、無いわけでは無いんじゃが…わしもやったことのない魔法でな。自信がないんじゃよ。もし、失敗すれば女の子の心が傷つくかもしれんしの。)

カナルは、悩んだ。考えた。

「僕がやる!僕が力を使って、あの子を助ける。ジジ、どうすればいいか教えて!」

ジジは、驚いた。カナルがここまで真剣に魔法を教えてといってきたのは初めてだったからだ。

(よしっ!やってみるかの、カナル。)

「うん!よろしくお願いします、ジジ。で、唯一の方法って何?」