(何をトンチンカンなことをいってるんでちゅか!このハゲじぃさんは!)


(ハゲてねぇし!(泣)ってかお前さんは声しか聞こえてないじゃろうが!たまにお前さんの言葉でわしの心傷つくんじゃが(泣))

天使の声は、かなりか弱くなっていった。







母は、抱いている我が子の顔が怒っているように思え、優しく囁いた。

「どうしたの?ご機嫌斜めかな?」と微笑みかけた。




母の微笑みで赤ん坊は、穏やかな気持ちに母に見とれた。
そして、頭の中の天使に話しかけた。



(怒鳴ってちまってごめんちゃい。でも、どうちてそっちに行かないといけないんでちゅか?)



天使は、気を取り直して言った。


(お前さんの魂は、特別魂なんじゃ。)

(なんでちゅか?とくべちゅこんって?)



(それぞれ魂の形があっての。動物魂、植物魂、人間魂…そんな感じに色々あってな。お前さんの魂は特別魂といって、神様や我々天使が持つ魂なんじゃ。何かの手違いで人間の母体に入ってしまってたのじゃよ。だから、はよこっちに帰ってこい。)



(やだ!)


赤ん坊、即答。



(しかしな、お前さ…)(やだ!やだ!やだ!やだ!やだ!やだ!!!)



(まだ、話てるとちゅ…)(やだ!やだ!やだ!やだ!やだ!やだ!!!)



(う、う、う…(泣))

また天使は、弱々しく泣きはじめた。それでも赤ん坊は、膨れっ面になり頑固として拒否をした。


母は、また我が子の顔が怒っているように思え、話かけた。

「どうしたの?表情が豊かだけど、ママはあなたの笑顔が見たいわ」

また優しく微笑みかけた。
赤ん坊は、まだボヤけてしか見えない目で母の顔を眺め、声を聞いた。


赤ん坊は、悩み一つない答えで天使に言った。

(僕は、ママさんじゃなきゃ嫌でちゅ!)



(わかったわい。じゃが、わしはただの現場監督にしかすぎん、神様に話して見るがの…だけど、お前さんは変わっとるわい。神様にもなれたかもしれんのに。じゃあ、またくるでの。)







赤ん坊は、天使と話したことよりも、これからまず母が自分をなんと名付けてくれるかワクワクしていた。