カナルは、学校が好きだ。決して勉強が好きだと言う訳じゃないが、友達と一緒に色んなことをしたり、給食を食べたりして楽しく過ごしていた。

給食の時間になり、カナルは給食当番だった。もちろん、健ちゃんと一緒だ。健ちゃんと一緒に給食の牛乳を運んでいた。カナルが何気なく外を見ると違うクラスだが同じ一年生の女の子が靴も履かないで外に立っていた。

「健ちゃん、あの子何してるのかな?」

健ちゃんは、カナルが見ている方向を見た。

「本当だ。靴履いてないね。どうしたんだろ?」

健ちゃんは、そう言うと女の子に届くほどの大きな声で話しかけた。

「ねぇ、何してるの?靴も履かないで、外に出たら先生に怒られるよ。」

女の子は、黙ったまま健ちゃんとカナルのほうへ近づいてくる。女の子は、目の前にくると真顔のまま喋った。

「上靴も運動靴もどこかに隠されてるの、だから探してただけ。」

女の子は、そう言うと去っていった。

二人は、女の子の異様な迫力に圧倒されてた。

「なんだか、変わった子だね。でも、さっき靴が隠されたって言ってたけど、イジメかな?ね、カナルはどう思う?…カナル?」

カナルは、女の子が去っていったほうをボーっと見ていた。

「えっ?なんか言った、健ちゃん?」

健ちゃんは、ニヤりと笑った。カナルは、顔を赤くして否定したが健ちゃんには誤解されたままになってしまった。


でも、カナルが本当にあの女の子を気になったのは本当だ。きっと、カナルしか見えてはいなかったと思うが、女の子の体からは黒い煙が出ていた。

カナルは、学校が終わるとすぐに家に帰った。

「ただいま!」「おかえり。今日はいつもより早いわね。走って帰ってきたの?」カナルは、母に返事をする暇もなく急いでジジのいる部屋に言った。

(な、なんじゃ!今日は、やけに早いの。どうせ、早く遊びに行きたいからじゃろ)
ジジは、毛ずくろいをしていた。

「ううん、今日は友達と遊ぶの断った。ジジに聞きたいことがあって!」
ジジは、驚いた。しかし、カナルの真剣な顔を見てジジは、真面目に聞くことにした。

(んで、どうしたんじゃ?学校で何かあったのかの。)

「えっ?!どうして、わかったの?!」カナルは、ビックリした。