あれから、月日もたち。カナルは、小学一年生になった。６歳である。


｢カナル！起きなさい。｣

カナルは、母の声が聞こえているが、まだ寝たくて布団に潜りこむ。

(これっ！起きんか！）
ジジは、布団の中からカナルを蹴飛ばした。

ドシンッ！｢…う〜ん、痛いじゃないか。乱暴ジジィめ。｣
カナルはベットから落ちた。

(誰がジジィじゃ！ジジって名前だけでジジィじゃないわい。(泣)）


カナルは、少し生意気な男の子になっていた。ジジを泣かすのは、あまり変わってはいないと思うが、この時のカナルは、小学生なりのヤンチャで生意気だった。

｢ジジ、泣かないで。おはよ！｣

(…うっ…う、おはよ。って少しは慌てんか。学校に遅れるぞ。）

カナルは、慌てて着替えて、ランドセルを持ってリビングに駆けた。
｢お母さん、おはよ！｣
カナルは、テーブルにつくと物凄いスピードでご飯を食べた。

｢もう少し早く起きてね。忘れ物は、ない？｣

｢モグモグ…なひとほもふ。｣食べながら、喋っているが母には解るようだ。


｢じゃあ、行ってきま〜す！｣

｢行ってらっしゃい。気をつけてね。｣

(お〜い。）

ジジが後ろから走って追いかけてくる。

｢何、ジジ？｣

(今日は、学校から帰ってきたら修業じゃぞ。最近のお前さんはサボりすぎじゃ！）

｢ごめ〜ん！今日は、学校終わってから友達と遊ぶ約束してるから、またね。行ってきま〜す！｣

(またかいっ！どうせ、健ちゃんじゃろい。）ジジは、走るのを止めてガッカリと肩を落とした。

カナルは、小学生になってから宿題や友達が増え、ジジとなかなか修業が出来なかった。ジジは少し寂しかったが、カナルの成長には親の気持ちになった気分で嬉しかった。


学校が始まった。カナルは、ギリギリだったがなんとか間に合った。

カナルには、親友がいるあだ名は健ちゃん。幼稚園からの仲良しである。二人仲良く同じクラスだ。

｢健ちゃん、はぁ、はぁ、おはよ〜。｣

カナルは、息を切らして教室に入ってきた。

｢おはよ、カナル。大丈夫？疲れきった顔だね。｣

健ちゃんは、幼稚園の頃から面倒見がよく優しい男の子だった。甘えん坊のカナルとは良いコンビだ。