(しまった!カナル!どこに言ったんじゃ!)






………………………
「にしても、今日はマジで最悪だったな。あの猫死んじまったかな?」
「まぁ、あの様子じゃあ助からないだろ。人だったらヤバかったな。(笑)」

ジジをひいた二人組は、車を走らせながら話していた。

少し走っているとライトの先に何か見えるのが、見えた。

キキー!
慌てて急ブレーキをかけた。

「痛〜。なんだよ、急に。」助手席に乗っていた男は運転していた男に言った。

「…おいっ、あれって。」

助手席の男は、運転していた男が見ているほうを見た。

車の少し先にライトに照らされた赤ん坊が道路にいたのだった。

「ウワァ!ゆ、幽霊だっ!」運転していた男は、慌ててエンジンをかけようとしたが、エンジンがかからない。

助手席に乗っていた男は、慌てて車から降りて反対方向に走ろうとしたが、腰を抜かし走ることが出来ない。


赤ん坊は、少しずつ少しずつ中に浮くように近づいてくる。



(ダメじゃ!戻ってこい!)


赤ん坊は、二人の前から消えた。


(カナル、カナル!)

カナルが気がつくと、そこは自分のベットの上で目の前にはジジがいた。

(ジジ、僕はどうしたんでちゅか?)

(バカもん!心配かけよって、お前さんはわしの記憶を辿って、車の男どもの所に言ったんじゃ。)

カナルは、きょとんとしていた。
(僕、覚えてないでちゅよ?)

ジジは、ため息をついた。
(当たり前じゃ、怒りに我を忘れたんじゃよ。カナル、あんまりわしを心配させんでくれ。)

(ごめんちゃい、ジジ。)
カナルは、ジジに抱きついた。
(ジジ。僕の力ってなんなんでちゅか?僕、恐いでちゅ)

(大丈夫じゃ、大丈夫じゃ。わしがそばにいるからの。)

ジジは、優しくカナルの背中を撫でた。