俺は、やっと少しだけ落ち着いた。



「私も、一杯貰っていいかしら?」



「どうぞどうぞ。すいません。気が利かなくて。」



ママは、細めの洒落たグラスに水割りを作り俺の横に座ったママの、いい匂いと久しぶりに嗅ぐ女の匂いがした。


俺は、少しだけペースを落としながら飲んだ。


ママはあらゆる話しをふってきた。


今回の戦争や前に流行ってた事などいろいろだった。


そして俺を誉めた。スーツの下にスウェットなんてお洒落とか、歯がないのが愛嬌があって素敵とか腕が太いとか、髪型が素敵とかあらゆる所を誉めた。


俺は、酒が入るにつれて気分が良くなり分からない話しにも相づちをうった。


プロレスの話が出た時だけ積極的に自分から話をした。


ママは、身体を寄せて俺の手に細い綺麗な手を置きながら聞いたり話したりした。


だんだんママの身体が近くなってるような気がした。


胸が当たる。耳元で話す為にママの吐息が耳に当たる。

ママが耳元で囁いた。



「あちらの方も、プロレスラー並かしら?」



俺は、え?と聞き返した。