「星羅は
僕の物だよ…」

そう言って
あたしに触れようとした時…

「ふざけるなっ!!」

椎の声がした。

そして
《夢龍》のみんなが
守るように
あたしを囲む。

「星羅は物じゃねーよ。」

和馬。

「星羅は渡さない。」

夏希。

「星羅に近付くな。」

頼。

「汚ねぇ手で星羅に触るな。」

空也。

「星羅はお前の物じゃない。
俺達の仲間だ。」

椎。

『そうだぜっ』

『星羅に指一本触れさせねー』

『星羅は大事な仲間でお姫様何だよっ』

みんな。

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。

こんなあたしを守ってくれて…

傷だらけになっても
守ってくれて…。

あたしは涙を流す。

そして

「お前達の負けだ。
分かったら出てけ。」

椎の怒りを込めた低い声が
倉庫に響き渡った。

「負けねー?
そんなの
分かんないよ?
戦いはこれからだ…
まあ
今日は引き上げるよ。
じゃあ
また会おうね?星羅。」

そう言って
奴と奴の仲間は
帰って行った。