「これを。」
わたしはそっと蘭に見せる。
「簪?」
「ええ。」
蘭の手に蝶の簪を握らせる。
「蝶は変化、成長の兆しを意味するの。もし、私よりも強くなったならこの蝶があなたを導くでしょう。」
「ああ。わかった。」
私は静かに扇を平げる。
そして術を唱える。
「絶対迎えにくるから!」
人間界に戻る刹那。
蘭は笑顔で叫んだ。
その声の余韻も消えないうちに蘭は消えた。
わたしはそっと蘭に見せる。
「簪?」
「ええ。」
蘭の手に蝶の簪を握らせる。
「蝶は変化、成長の兆しを意味するの。もし、私よりも強くなったならこの蝶があなたを導くでしょう。」
「ああ。わかった。」
私は静かに扇を平げる。
そして術を唱える。
「絶対迎えにくるから!」
人間界に戻る刹那。
蘭は笑顔で叫んだ。
その声の余韻も消えないうちに蘭は消えた。


