蝶と蜘蛛1

私はまた素早く術を唱える。

「幻想流水乱舞!」

蘭は水の渦に巻き込まれる。

とても苦しそうにもがく。

私は両手をたたき術を解く。

その瞬間水は消え、蘭がたたみに投げつけられる。

「・・・・だから言ったでしょう?あなたのちっぽけな霊力なんてなんの役にもたちやしないのよ。」

「ゲホゲホっ」

苦しそうに蘭が咳をしながらこちらを見上げる。

「あなたの霊力じゃ紅なんてもってのほか・・・低級の女郎蜘蛛にすら勝てないわ。」

「でも!俺はこんな檻から紫を助け出したいんだ!」

嗚呼・・・真っ直ぐな瞳。