蝶と蜘蛛1

「あらあ・・・紫、その子私の蝶じゃない!」

嬉しそうに紅が近寄ってくる。

私は蘭を後ろに庇う。

「ばかね何でこんな所にきたのよ。」

「だからお前を助けに来たんだよ」

「寝言は寝てからいいなさい!あなたなんかに私を助けられるわけ無いでしょ?」

「大丈夫だ。」

「根拠の無い自信は身を滅ぼすだけよ。それくらい理解しなさい。」

私は素早く蘭にそう告げると呪文を唱える。

そして頭に刺していた簪を手に取り空へと飛ばす。

「幻像火炎華吹雪!」

術名を叫ぶと一斉に炎の華が女郎蜘蛛たちを襲う。

「きゃああ!」

「誰か水の術を!!」

皆が混乱しているうちに私は蘭の手を取り駆け出す。