欲しいものがあるわけじゃない。

望むものがあるわけじゃない。

だけど死にたいわけじゃない。

そんなことを考えているとふと蘭の顔を思い出す。

そんな自分に顔をしかめる。

「憧れているのかしら?」

これが、憧れ?

私はこんな感情知らない。いらない。興味ない。

だけど今はすこしだけそんな冷めた自分が嫌になる。

もし、もっと違う性格だったらこの感情の名前がわかるのかしら?


まあ、今更ね。

私は立ち上がり部屋を出た。