「じゃあ帰りたいの?」

「ああ」

蘭はすこし感情を抑えながら答えた。

「そう。」

私はゆっくりと自分のベットに落ちている扇を拾う。

「じゃあ返してあげる。」

「え?」

「もう二度とこんなところにこないことね。」

私は扇を広げて風を作る。

そして一気に蘭に向けて放つ。

その瞬間蘭は消えた。

いいや、正確に言えば人間界へと帰ったのだ。