蝶と蜘蛛1

「もう喋ってもいいよ。」

「な、なんで俺を助けたんだよ。」

んーなんでだろう・・・
きまぐれってやつだろうか?

本当は紅に渡しても良かった。

だけどなんとなくこの人間は殺したくなかった。

きっときまぐれ。

「さあね。」

私は曖昧な微笑を返す。

「なんで紅さん俺の姿見えなかったんだ?」

「私の着物被ってたでしょ?」

「ああ。」

「女郎蜘蛛の着物には霊力がうつるのよ。そして私が見えないように術をかけたから見えなかったってわけ。」

「上級の女郎蜘蛛?」

「ええ。女郎蜘蛛にも華・上・中・下と階級があるのよ。霊力が強ければ強いほど階級は上がるわ。華は最高階級よ。」

「ちなみに紫の階級は?」

「華。」

「・・・・」

そう。私は最高階級の華の位を持つ。

まあ、こんな位いらないけれどね。