蝶と蜘蛛1

「別に?何故?」

「着物を着替えに行っている間にいなくなっちゃったのよぉ。」

「逃げたんじゃないの?」

「まだ屋敷にいるはずなんだけどなぁ?」

「ここにわきてないわ。ほかを探したら?」

そう言った瞬間蘭は驚いた様子でこちらを見つめてきた。

しかしきちんと約束どおり黙っていた。

「そうしようかなあ?見つけたら教えてねえ」

そういって紅は部屋を出て行った。