蝶と蜘蛛1

「紫は俺を今すぐ食べるのか?」

「さあね。」

そういってくすくすと笑ってみせる。

その瞬間蘭の顔が曇る。

ふふ。この恐怖を感じている人間を見るのはやっぱりタマラナイ。

そんなことを思いながらふと想う。

やっぱり、私も女郎蜘蛛ね。

そんな自分に少し嫌気がさす。

そして続けて私は言う。

「食べて欲しいの?」

「っそんなわけないだろ!」

怯えつつもムキになり叫ぶ蘭。

その声の大きさに誰かが此方に近づいてくる。