「親方ありがとう。純一も、河田も、会った事があるな。

和美ちゃん、愛弓ちゃんこちらが、大望建設の社長で上島の親方だ。」



愛弓の周りに集まる男達の整理で僕らは、それどころじゃなかったが頭だけ下げた。


隙を見るとすぐに愛弓に触りたがる連中だった。


次郎が後ろから愛弓を抱え上げて高い岩の上に置いた。


次郎が愛弓に耳打ちした。愛弓は、少し困惑気味の顔をしたが、すぐに次郎に笑顔でピースサインを小さく出した。



「皆さん、今日は来てくれてありがとうね。愛弓のお願い聞いてくれるかな?」


正確に数えたら21人居る男達のほとんどが、お~!!と言ったが、1人だけ反発気味な声で愛弓に質問した。



「その横にいるデカイ男は、まさか愛弓ちゃんの彼氏とか?」



男は、まだ30代のようだか頭が薄く痩せて眼鏡を掛けていた。



「な~んだ。宮本ちゃん来てくれたんだあ。嬉しい。お店にも来てね。

ああこの男ね。違うわよ。言ってなかったかな?私の兄よ。次郎兄ちゃんだよ」