「当たり前だろう。あんな汚ない所に入る訳ないじゃないか。」



「そうだよね。立竜会なんて所詮大組織の下にいるからあんなに威張ってるけど、やる事は、汚ないし、ろくなもんじゃないよ。」



和美が怒った口調で言う。



遠くでまたもや、漁船のエンジン音が聞こえて来た。


皆もしかしたら、倉木が戻って来たのかと思い少し身構えた。


漁船は、倉木の漁船よりも更に大きかった。



「愛弓ちゃ~ん!!」


漁船には、何人も人が乗っていて愛弓の名前を呼んでいた。


「ゲ!!本当に来やがった。」



愛弓が困り顔で次郎の後ろに隠れた。



「愛弓ちゃ~ん!!」


やはり愛弓の名前を皆で連呼していた。