「倉木さんもずっと一緒だったんですか?」
「倉木は、小学校1年だったかな、転校して来たんだよ。
あいつは、今でもそうだが気が弱いくせに変な所で虚勢をはるもんだからやはりいじめられてなあ。」
「それを、かばったのが、次郎さんなんですか?」
「そうだな。俺と、強くなった藤本だよ。だけどあいつは、6年生の終わりにまた、転校してな。
帰って来たらああいう男になってたんだよ。」
「だけど、子供の頃かばってもらってのに今は、なぜ次郎さんを嫌うんですか?」
僕は、素朴な疑問を次郎に聞いた。
「わからんよ。
帰って来た時には、立竜会の幹部でな。
偶然道で会ったら俺の事を呼び捨てにした上に昔はまるで自分がかばってやったみたいに、周りのチンピラに言ったから俺は、頭に来てな、海に放り投げてやったよ。
それから、1度は、隠れて来て、立竜会に入って自分の下でやらないかって言って来たよ。」
「それを、断ったんですね。」