「純一、どうだ。どんな感じだ。」



最初に口を開いたのは、次郎だった。



「どんな感じって言われても具体的に何がですか?」



「具体的になあ。まぁこれから国と喧嘩だなあ。どう思う。」



「どうってやるだけやるですかね。」



次郎は、笑った。



「そうだな。やるだけやるだな。俺はな理屈は、分からないんだよ。

だけど感じるんだよ。この国が嫌な方向に向かってるってな。

多分なそれは、俺が純一くらいの時から始まってたんだよ。
ところが俺は、それを、感じながら無視したんだよ。」



「無視ですか?」



「そうだな。感じてて行動しなかった。
その頃は、まだバブルが残ってたし俺の思春期の頃は、日本は、世界を制覇するって勢いだったからな。


それが頭に刷り込まれたって感じだったなぁ。


俺が純一くらいの時には、働き口もいくらでもあったんだよ。


金も沢山若いのに持ってたな。


それに溺れたし日本がダメな国になるなんて信じたくなかったのかもなあ。」