河田は、愛弓を送って島を出た。

夕暮れが迫って来ていた。



「純一、お前も疲れただろう。飯を食って早めに寝るか。」


次郎がボールペンを指でもて遊びながら言った。



「そうですね。疲れたと言うか。う~んまぁ疲れましたね」


僕は、笑った。



夕食は、愛弓と同じでサンドイッチだった。


次郎が薪木に火をつけて、その前で食べた。


夜になるとかなり寒かった。海風が吹きつけてきて体温を奪った。


次郎も、革ジャンを着ていた。


僕も、昼間は脱いだジャンパーを着て2人でサンドイッチを、ゆっくり味わい次郎がヤカンを薪木の上に吊るせるように木で上手く作った物でお湯を沸かした。

お湯が沸くと2人でインスタントコーヒーを飲んだ。


次郎は、小さいラジオでニュースを聴いていたが、ニュースが終わるとそれを切った。


波の音と風の音、島の木々がざわめく音しかしなくなった。