吉井が笑いながら言った。
「次郎と愛弓だな度胸があるのは。
じゃ、わしらは帰るよ。青年君も、頼むよ。名前は、なんて言うんだ?」
僕は、慌て答えた。
「純一です。秋山純一です。」
「純一か、いい名前だ。なかなか面構えもいいな。
次郎気をつけてな。」
吉井は、そう言いと車に戻って行った。
藤本が慣れた動作でベンツの後部座席のドアを開けた。
藤本は、車に乗り込む前に次郎に向かって一礼した。
次郎は、うなずいた。
「まさか、組長直々で来るとは思わなかったよ。」
河田がベンツを見送りながらほっとしたように言った。
「河田ちゃん何言ってんの。次郎さんが何か始めようとしてんだから来るでしょ。吉井のおじいちゃん次郎さん大好きなんだから。」
愛弓が河田の頭を軽く小突いた。


