もうひとつの驚きが大小島を市が開発に乗りだし、スパリゾート地にしようとし始めた事だった。



温泉が出る事が分かったからだった。



これには、市民の中には、怒りの声をあげる者も多かった。


街での剣の会伝説や今でも次郎を慕う人間は、沢山いたからだ。



しかし、この計画は、強引かつ巧妙に進めらていた。



反対派の強行派でない人達には、これで何人もの雇用が生まれると言って丸め込まれてしまう人達もいた。



こればかりは、全ての地方都市の抱える雇用と言う甘い汁だった為賛成派に回る人達も出てきた。



僕は、仕方ないのかもしれないと思ったが、何とも言えないあ気分になった。



そのリゾート開発に立竜会が絡んでいるとの噂が流れたのは許せなかった。



立竜会は、今では藤本が組長になって居て市や県との癒着を噂されていた。



吉井組長は、静観の構えを崩さなかったし、いつか失敗すると言って笑っていた。



僕は、吉井組長のように余裕で見る気持ちになれずに苛々したが、今に見てろといつも思っていた。




いつもの居酒屋の個室だった。



僕は、1番に来た為にここで次郎と2人で決起の声をあげた事を懐かしく思い出していた。



愛弓が入って来るなり僕に文句を言った。



「性欲小僧、空手道場サボってるだろう!」