皆、あちこち怪我だらけだった。



獣医にとりあえずの応急手当は、して貰っていたが、吉井の言うように入院しないといけないだろうと思えた。



「今回の事で怪我をした連中は、皆、あちこちの病院に行ってもらったよ。

もちろん払いは、俺だよ。

そのくらいは、させてもらわないと俺も顔が立たないからな。」



吉井が言った。



愛弓は、泣いていたが吉井の言うように次郎が、そう簡単にくたばってたまるかと僕は、思うしかなかった。



死体が出ないのを祈った。



死体さえでなければ、希望がある気がしたからだ。



僕は、愛弓の背中を優しく撫で続けた。