次郎の怪我は、確かに完治してないのだった。
それを、僕は、この所の忙しさにかまけて忘れていた。
次郎は、毎日温泉に入り愛弓に湿布を貼ってもらったりしていたのだ。
次郎は、精神的にもきつい状態だったが肉体的にも決して万全では、なかったのだ。
愛弓は、それに気付いて次郎をフォローしようとしてるのかもしれなかった。
僕は、自分自身がその事に忘れてしまっていた事を恥ずかしく思ったが、愛弓と次郎なら助け合ってやってくれるだろうと信じるしかなかった。
次郎と愛弓は、向こうが観察してるかも分からない為に、島の端からそっと潜水して行った。
僕らは、敵が何時でも動きだしてもいいように戦闘体制を維持しながら次郎と愛弓の様子を河田が双眼鏡で追った。
次郎達は、潜ったまま滅多に出て来なかったが時々水面に顔を出した。
徐々にでは、あるが自衛隊の輸送船に近づいていた。
海上保安庁の船よりも巨大だったし人間の数も沢山積んでいた為自衛隊の輸送船を二隻沈めてしまえばこちらに、圧倒的に有利になるのは、間違いなかった。
次郎と愛弓が1隻目の輸送船に近づいたのが分かった。
少しするとドーンと音がした。
輸送船にダイナマイトを仕掛けたのだ。
輸送船は、かなり揺れたが乗組員の自衛隊員は、下を見て次郎と愛弓の存在に気付いたようだった。
海に向けて発砲し始めた。


