「そうだよ。
もちろん僕達は、真剣に国と勝負する。
準備も力不足かもしれないけど、自分達の出来る範囲の精一杯の準備をする。
これもとても重要だよね。
いい加減な準備じゃ駄目だよね。
僕達は、国に比べたらとても弱いボクサーかもしれない。
国は、チャンピオンなわけだよ。
僕達は、無名のボクサーかもしれないけど、きちんとギリギリまでトレーニングをして準備をする。
勝負は、準備の段階から始まってるよね。
愛弓ちゃんは、格闘ファンだから分かるよね。
ボクサーや格闘技家がいい加減な準備をしてリングに上がると身体付きや雰囲気で分かるよね。」
「うんうん。それは、分かるよ。
あ~こいつお金の為だけにいい加減な試合で誤魔化そうとしてるなってね。
だけど、それが周りがどう捉えるかと関係あるの?」
愛弓の表情は、真剣だった。
「愛弓ちゃん、分かるだろう?
リングに上がるボクサーや格闘技家と僕達は、一緒だよ。
周りが、後で僕らの行動を観たり聞いたりした時に、あの連中は、きちんと出来るギリギリの範囲まで準備して戦ったと評価してくれると思うよ。
そして必死に向かって行く姿勢を分かって貰えたらいいじゃない。
もちろん負ける気で向かって行かないよ。
それに、きちんと評価されるかは、分からないよね。
でも中には、きちんと評価してくれる人もいるはずだよね。」
「なるほど。そうよね。
最初から準備もしてない状態や向かって行く姿勢が見えない限り人って評価しなしいし分からない人には、分かってもらわなくていいよね。
お金だけ稼ぎに来た映画スターのなんちゃってボクサーがだらしない身体付きでリングに上がって猫パンチで勝ったとしてもそれに、対して笑いは、生まれても勇気は、もらえないよね。」
愛弓は、うんうんと頷いた。


