「純一、勝てないと思う戦いをなぜやるんだ?」
次郎は、穏やかな表情で静かに聞いて来た。
僕は、前から考えてた事を話した。
「勝てないかどうかは、実際にやらないと分からないですが、まぁ勝てないでしょうね。
だけど、僕らがやろうとしてる事が無駄だとは、思いませんよ。」
「純一君、最初から負ける気なの?」
愛弓が怒った口調で聞いて来た。
「いや、負けるつもりで戦う気は、ないよ。
もちろん勝つつもりで戦うよ。
だけど、冷静に考えたら勝ち目は、とても低いよ。」
次郎は、目を閉じて聞いている。
僕は、続けた。
「勝つつもりで行くよ。
ボクシングみたいな感じかな。
一発逆転もあり得るし、僕達は、この短い間に出来る限りの準備は、したわけだからね。
だけど、重要なのは、僕達がどこまで真剣勝負をしたかって事じゃないかな。」
「確かに、そうだけどね。
逃げてないよね?」
愛弓が聞いて来た。
「逃げてない。ぶつかってやるよ。
それに、この戦いを周りがどういう風に捉えるかだよ。」
「周りがどう捉えるか?」
愛弓が聞いて来る。


