藤本は、顔面を血だらけにしたまま横を向いて失神していた。



僕は、立ち上がろうとしてその場にへたりこんだ。



どうやら、気持ちの糸が切れたらしい。


手がぶるぶる震えている。



猟銃を愛弓に向けていた男とガムを噛んでいた若い男が呆然とこちらを見てるのが分かった。



佐竹は、まだ座り込んで頭を押さえていた。



次郎が猟銃を持った男から簡単に猟銃を取り上げた。



男は、全く無抵抗だった。



「お前達、次の船で藤本と佐竹を連れて帰れ。

そして2度と戻って来るな。」



次郎が静かに言うと山をジッと見ながら猟銃を構えると1発山に向かって撃った。



「おーい!!お前達のボスは、負けたぞ!!
大人しく降りて来れば何もしない!!

島を出ろ!!2度と来るな!!」



次郎は山に残っている連中に呼びかけると僕の側に来て肩を叩いた。



僕は、座り込んだまま次郎の方を見た。


「純一、結局お前は、藤本から習った事佐竹から習った事で勝ったな。

皮肉な話しだが凄かったぜ。」



次郎の優しい顔を見ると僕は、泣きそうになり頷いくのが精一杯だった。



次郎は、僕の腕を掴むと強引に立たせて自分の肩に手を回させた。