藤本が僕は、砂浜の上で対峙した。



2人の距離は、1メートルくらいだろうか。



藤本の背は、僕より少し低いくらいだろうが体重を僕より少し多いだろう。



ほぼ体格的には、同じくらいと考えていいだろう。



藤本は、低い姿勢をとりながら視線を僕から外さなかった。


藤本の目付きは、僕が初めて見る物だった。



獲物を狙う野生の動物のような目付き、そこには、全く油断と言う物はなかった。



僕も低い姿勢のままゆっくり藤本の周り円を描くように回った。



藤本が飛び込んでくるのかそれとも打撃で来るのか全く予想がつかなかった。



最初に動いたのは、藤本だった。



軽く様子を見るように距離を詰めながらジャブを放って来た。



僕は、余裕でそれを避けた。



藤本も予想通りだったようでまた距離をとり僕がゆっくり回るのをじっと見ていた。



時間が経てば若い僕の方がスタミナがあるから有利だろうと思った。



藤本は、身体をほとんど動かさなくても体力や集中力は、確実に落ちるはずだ。


こういう時には、体力ももちろんだが神経戦的な部分が重要なはずだった。