「おい!俺に何かあるんだろう!?

純一は、関係ないだろう!!」



次郎の怒鳴り声が洞窟に響いた。



「藤本、いつからだ?こういう事を考えたのは?」



次郎の話している相手が藤本だと分かった。



僕も愛弓も身を硬くして次郎の会話を聞こうとした。



「だろうな、きっかけは分かったよ。

だが、それなら俺とやり合えばいいじゃないか?

なんだって!!愛弓ちゃんと佐竹か!!お前そりゃ、ないだろう!!


おい!!藤本!!藤本!!

チクショウ!!」



次郎は、携帯を放り投げた。



僕も愛弓も何が話し合われたのか分からなったが決してこちら側に良い話しでない事だけは、分かった。



「藤本佐竹とあと2人が山を降りてくるそうだ。」



次郎がため息をつきながら言った。



「それで、何て言ってんの?」



次郎は、やかんの水を飲み一息ついて険しい顔でつぶやいた。



「1番の原因は、嫉妬だよ。」



「意味分かんないよ?」



愛弓が次郎に問いかけた。



「俺や純一、愛弓ちゃんに対する嫉妬だよ。」



次郎は、少し悲しげに言った。