作業は、愛弓が泊まり更に気合いが入った。


脱落者は、今の所居なかった。



毎日のローテーションで来るメンバーがだいたい70人くらいで定期的に来るメンバーを合わせると200人を越えていた。



脱落者は、居なかったが不安気に聞いて来る人達は、増えた。


この先どうなるのかだったが次郎は、そういう人達に優しく答えた。



「なるようにしかならないが、俺達は、最大限勝つ為の努力をするだけだよ。


負けると思ってリングに上がるボクサーは、まず負けるが最大限努力すれば、奇跡も起きるはずだよ。」



次郎は、優しい笑みを浮かべながら答えた。


不安を抱えて聞く人達は、次郎の笑みと言葉に癒され勇気づけられるようだった。


しかし、次郎の怪我は、なかなか回復してないようだった。

毎晩痛みでうなされていた。


次郎は、作業の見回りとチェックをしていたが、周りには、怪我が回復してない事を分からせないようにしていた。



次郎の怪我を分かっているのは、僕、愛弓、河田、和美、藤本、上島、佐竹の親しいメンバーだけだった。


知っているメンバーは、次郎が無理な動きをしないでいいようにさりげなくフォローした。


今の所僕達に出来る事は、それくらいだった。


次郎にしばらく島を離れて療養を続けろと皆が言っても無駄な事は、分かっていた。