愛弓が店を辞めて泊まり始めて数日が経った。


愛弓は、大きめのリュックサック1つで島に来た。



当然お店を辞めるとなると揉めたみたいだが、お店側もいつかこういう日が来るのではないかと思ってたらしく最後には、退職金までくれ、いつでも戻って来るようにと言われたらしい。



愛弓、次郎、僕の3人で島に泊まった日は、愛弓が横のテントに居ると思うだけで僕は、寝れなかった。



これから、こういう日々が続くと思うと若い僕には、少し刺激が強かった。



愛弓に『性欲小僧』と言わても仕方ないと思った。



次郎は、愛弓が辞めて島に泊まる事にまだ不満気だったが、諦めたのか愛弓を説得したりは、しなかった。



次郎は、愛弓の為に寝る時には、洞窟の入り口にブルーシートを貼った。


起きた時には、洞窟の上に巻きあげられるようにした。


洞窟の中にテントや寝袋があるとはいえ風が入ると寒かったのが、ブルーシートのお陰でかなり暖かくなった。



愛弓は、それを見て次郎にありがとうと言った。


3人で食事をして居ても愛弓は、あまり喋らなかった。


次郎もラジオを聞きながら時々チクショウとか言うくらいでほとんど口をきかなかった。


それでも、居心地は良かった。


不思議な安心感があった。


確かに、僕は、愛弓をつい性の対象として見てしまうが、次郎と3人一緒の時には、何か気分の良い安心感のような物を感じた。


1つの家族のような気楽さや気分の良さがあった。