「次郎つべこべ言うなよ。
とにかく、今は、指揮しろ。
建設現場だってきちんとした指導者が居ないと出来ないだろう。
お前は、作業に手を出さなくていいし今は、人もいるから指示を出すだけでも作業に手を出す暇なんてないくらい大変だよ。」
上島が言うと河田が割り込んで来た。
「親方、次郎さんがやらないなら俺がやりましょうか。」
「分かった。分かったよ。
俺が指示を出すよ。
河田にやられちゃかなわないよ。」
次郎が渋々納得した。
皆の上手い作戦だった。
次郎の怪我を思っていかに次郎の身体を動かさないかと言う事を考えた場合皆が明らかに、チームプレーで動きたがる次郎を押さえこんだ形になった。
実際、これからは、次郎は、あちこちの指示に回らないといけないのだがついつい身体を使うだろう事は、予測出来たがこれで多分大丈夫だろうと思った。
「次郎さん炊事の方もいろいろ見て回ってね。
食べるのが1番の楽しみなんだから。」
和美がとどめを、刺すように言った。
「分かりました。」
次郎は、子供のように言った。
それを、見て愛弓がクスクス笑った。


