「お帰りなさい待ってたよ。
次郎さんお腹寒いでしょうし腹巻きは、剣の会の次郎さんのシンボルだからこれを使ってよ。」
愛弓が腹巻きを差し出た。
白い腹巻きに赤い丸があり横に新·日本と刺繍が入っていた。
日の丸の腹巻きに新·日本という事らしい。
愛弓の手作りのようだった。
次郎は、嬉しそうに革ジャンを脱ぎ腹巻きを付け、すぐに革ジャンを着た。
「あ…次郎さん櫛もね。」
愛弓が少し戸惑いながら櫛を渡した。
愛弓がなぜ戸惑ったのかは、僕にも分かった。
次郎が腹巻きを付ける為に革ジャンを脱いだ時に、Tシャツから見えた右腕にかなり厚いテーピングが施されていたからだ。
僕達は、次郎が完全に復活したと勘違いしていた。
考えて見れば当たり前の話しであれだけの怪我がこんなに短期間にいくら次郎でも、完治する事は、不可能な話しだった。
「愛弓ちゃんも若いからちょっと驚いたみたいだなぁ。」
藤本がいつの間にか僕の隣に来て小さい声で言った。


