僕は、昼食の後に少しの休憩時間を利用して愛弓に、空手を習った。


愛弓は、今では、昼寝をせずに暇があれば男達の手伝いもしていた。


愛弓の空手の指導は、単純だった。


金的蹴りだった。



「武道家としては、誉めらた手段じゃないけど、あんたの場合は、これから闘う為だし実戦だからね。

相手を戦闘不能にしちゃえば要らない殺生しなくていいじゃない。」



要らない殺生とは···だが良く考えたらそうなのだ。


国と喧嘩って事になれば当然殺るか殺られるかと言う状況になるのだ。


愛弓の方が現実的だった。



夜の島に泊まるメンバーは、藤本か、佐竹だった。


時々、作業に来ている人達も泊まった。


藤本には、喧嘩の時の心構えを教わった。


具体的に藤本がこれまでの自分自身の喧嘩の実例を挙げながら話してくれた。


藤本も単純に言えば死ぬ気になれば怖くないと言う事を繰り返し教えてくれた。

実例があまりにリアルな為に、単純な言葉が良く分かった。

藤本とは、島の要塞化の工事の進捗状況も話し合いをした。

これには、上島の細かいメモや図面が役に立った。