「純一真の勇気ってのは、それだよ。

勝ち目の薄い相手にでも必死で向かって行く。


勝てる確率の高い相手としか試合をしないと言うファイターには、真の勇気ってのは、ないよ。


勝てる確率が低くて周りからパッシングを受けても、リングに上がるファイターの方に真の勇気ってのがあると思うよ。


だが、最初から負けると思って勝負は、しないはずだ。


ほんの少しの確率でもそこに賭ける。


最初から負けると思って勝負はするなよ。

少しの確率に賭けろ。


道は、開けてくるかも知れない。道は、開けてくるかも知れない。」



次郎は、同じ言葉を2度繰り返した。


自分自身に言い聞かせるようだった。



「そうですね。道は、開けてくると信じてます。」



「純一しかし、腹巻きに慣れてたせいか腹が冷えるな。」



次郎笑った。


腹巻きは革ジャンとや他の衣類と一緒にボロボロになり使い物にならなくなっていた。


次郎は和美が用意したパジャマ姿だった。


病室は、暖房が効いていたので寒くは、なかった。