愛弓が声をあげた。
「ちくしょう!あの野郎か。」
藤本が叫んだ。
広場の隅で作業服姿の男に河田は、後ろ首に手を回されていた。
男の手にナイフが見えた。
河田は、鼻血をダラダラ流していて顔も傷だらけのようだった。
「藤本さんあの男知ってるの?」
和美がさすがに心配そうに藤本に聞いた。
「倉木の組の本家の有名な喧嘩屋ですよ。」
次郎が藤本の方をちらっとみて何か目で合図した。
藤本は、うなずいた。
「上島さん純一君手伝ってくれるかな?」
上島は、状況が分かったらしく軽くうなずいた。
僕は、いまいち状況は分からないが手伝うしかないと思った。
「うちの馬鹿は、人質になってるんでしょう。あ~情けない!
私も行くよ。」
和美が情けなそうに顔をしかめた。


