2艘の漁船から、声が聞こえてきた。
騒がしい、沢山の人間が乗ってるようだった。
大きい方の漁船を島ギリギリに着けると宮本と昨日最初に次郎に協力したいと言った太った40代後半の男が率先して橋桁を掛けた。
河田の漁船もすぐ横に着けた。
わらわらと人が降りて来た。
40人近くは、居そうだった。
藤本が次郎の元へ走って来て事情を説明した。
「いやあ、今日は、昨日より、すごくてですね。港に100人以上いまして。昼から交代制でまた来ますよ。漁協の会長が船を出してくれるそうです。」
「交代制?」
愛弓が藤本の後を引き継いで説明した。
「だって交代制にした方がいいじゃない。
疲れるもたまらないし、長く来てくれるし皆それぞれの事情に合わせて来れるでしょう。」
「愛弓さんがそう提案してくれて人の割り振りをしてくれたんですよ。
なかなかの手腕で驚きましたよ。」
藤本が感心したように言う。