「そうだ。ワシのパートナーとして来て欲しいんだ」


快活な笑みを浮かべながら言う。

老年とはいえ、年齢による衰えは微塵も感じない。


「パートナー……と、いいますと?」

「あれを」

「へい組長《カシラ》」


そばに控えていた黒服の男が、祖父の一言で、手紙を手渡した。


組長《カシラ》――祖父は極道の人間で、一家のトップだ。


大きな屋敷に、執事――恵理夜の環境は、その祖父のおかげで得られている。

最も、恵理夜自身はカタギの人間であり、祖父もそれはわかっている。