「驚いたわね」


真っ赤な口紅をつけた、パンツスーツの女性が立っていた。


「貴女が、春樹のご主人様なんて」

「貴女は……」

「ツバキと申します」


と、丁寧に頭を下げた。

また、香水が強く香った。