「離してやれ」


ヒガキが、開放された。


「春樹、あとは頼んだぞ」


祖父は、そう言って部下を引き連れてデッキから去っていった。


「ご立派でした」


――いつの間にか、恵理夜の背後に春樹が立っていた。