だって、山下くんの心はあたしに向いてるし 、そんな簡単に綾ガキなんかに向くはずないじゃん!



「前以上に自信が満ち溢れてんね」



「うん!山下くんがあたしに振り向いたってことが、あたしを自信に包み込んでくれてるのかも!」



思うんだけど、恋のパワーって偉大だと思う。好きな人の言動だけで、一喜一憂しちゃうし大忙し。



「綾ガキが入学してくるまで、たっぷり愛情そそがなきゃ~♪」



「山下くんも大変だね」



んもう!山下くんって言葉を聞いただけで、体が反応しちゃうんだけど★



「おう!滝沢!山下と結ばれてよかったな!」



「沙良の一途さ、応援してたんだよ~」



「好きな人に一生懸命になるのって、思ってたよりもいいものかもって思えるようになったんだよっ」



そして、校舎に向かう途中、こんな風にいろんな生徒から声をかけられた。あの大胆な告白のおかげで、みんなに山下くんとの交際も知られたからかな?



「みんな、あたしを見習ってよね♪」



あたしの勇気が誰かの力になってくれていたら、それでいい。いや、そうであってほしいんだ。