それから、山下くんの席へ向かい、隣の席の机に出してあったシャーペンをお借りして、



──I love you ♡♡♡ 未来の花嫁より



なんて、山下くんの机にイタズラな落書きを小さく残し、本来の目的である職員室へ向かった。



─────☆



「なぁ、滝沢知ってるか?」



「何をですか?」



放課後、またしても山下くんと会える委員会があり、今は文化祭の冊子づくり中で、隣にいたうっちー先輩から話しかけられたのだ。



「文化祭の名物、毎年恒例の告白大会だよ」



「何ですか?それ」



出来上がっていく冊子をホッチキスで留めながら、うっちー先輩に尋ねた。



「文化祭の2日目の最後に、好きな奴に告白するっていう告白大会ってのがあるんだよ。てっきりお前はエントリーしたもんだと思ってたのによ」



「ちょっとそれ、何ですか!?聞いてませんよ!?」



こ、告白のチャンスじゃないですか!



「去年もあっただろ?知らねぇのか?」



去年?あたし見てないんだよな……あ!模擬店の片付けに追われてて、体育館に行ったら会場が熱気に包まれてたのしか見てない気がする!それが告白大会の後だったのかな?