「どうする?山下くんのところに行く?」



「ううん、今はやめとく!」



山下くんのあたしに対しての怒りはみたことがあるけど、他の人に怒ってるのは初めて見た。だから、今は何も聞かない方がいいって、体がそう言ってる。



本当の本当は、山下くんに攻め寄ってあの人誰?とか、何があったの?って聞きたくて仕方が無いけど。



「夏生、テントの片付け行こ!」



山下くんのことが好きだから、今は……そう、今は近づかないんだからね!



─────☆



「こんにちは~!」



そして次の日、体育祭の代休ってことで、夏生のお家へ来ていたあたし。お目当てはもちろん……



「山下くん来てる!?」



「いや。今日は来ないって」



ショボン。お目当てのダーリンは、里津くんと遊ぶ予定はないそうだ。力なく靴を脱いで、夏生家に上がった。



「DVD持ってきた?」



「うん!」



夏生と観る約束をしていたDVDを、カバンから取り出す。今日は、DVD鑑賞の約束だったのだ♪



「まずはラブコメ!それからホラーを観て、ラストに恋人が亡くなってしまう感動ものを観よう!」



「はいはい。DVD貸して」