「何だよ、この踏み出したくない雰囲気は?お前ら少しは歓迎しろよ、秘薬も奪ってきたのに…」
ひすいが帰るとそこは気だるさが漂った空気の中だった。
行く前と今ではこの男たちの士気は下がっており、見た目の歳も二、三ほど老けてみえた。
「姉貴、大変なことが起こった」
豆吉はひすいの前に立つ。
「何だよ、大変なことって?」
豆吉は深刻そうにひすいから目を逸らして呟いた。
「米沢城主が毒を盛られた…!」
「よ、米沢城主って…―――――、ま…政宗さんが?!」
信じられない。
あそこまで強い彼を憎む者がいたのか。
そして、彼はこの<鷹>の男たちにとって最強の存在であったことがわかる。
現に士気は下がり、皆がみな無気力状態であるからだ。
ひすいもまた、驚き、手に持っていた小さな壺を落してしまう。
しかし、幸いにも地面は草で覆われており、その壺が割れることはなかった。
豆吉はそれを拾い上げ、ひすいに差し出した。
「これはまず、その人に与えるべきだ」
豆吉の言葉で我に返り、その壺をぎゅっと握り締める。


