――――――俺が守りたいのはあの人だけじゃない。
こんなくだらない奴らだけど、大将が残した仲間たちも守りたいんだ。
なあ、大将。
あんたを殺したのは伊達政宗じゃなかったみたいだな。
やはり所詮は敵方の情報だったというわけだ。
あんたの仇はあの人が取るってさ。
……大将、あんたならどうする?
みんなは気づいてないが、あの人はきっと伊達政宗に好意を寄せていると思うんだ。
俺じゃ、太刀打ちできないよな…。
俺は大将みたく、あの陽のようには笑えない。
伊達政宗がそのように笑っているとは思えないが、それでも俺はあの大名に勝てない気がする。
なあ、大将…―――――
豆吉が空の源九郎に向かって話していると、城下に買い出しに行っていた者が走ってこちらに向かってきた。
豆吉の前にたどり着くと両膝に手を乗せ、肩で息をしながら周りを見渡した。
「はあ…、はっ…。あ、姉貴、…は!」
「今出立したところだ。それよりどうした?お前が走るなんて何年ぶりだ?」
この男は運動神経が皆無であった。
それがこんなに息が切れるまで走ってきたのは何か問題でも起こったのだろうか。


