目の周りを真っ赤にしながら上目遣いに政宗を見上げた。
妙に女らしい仕草に政宗はにっこりと微笑む。
「俺を信じろ」
その言葉、その隻眼が嘘をついているとはどうも思えなくて、ひすいは彼を本当に信じることにした。
政宗は撫でていた手をひすいの顔の前にかざし、彼女の流した両眼の涙を人差し指で軽く拭ってやった。
「お前は泣いている時よりも笑っている方が美しい」
遠くない過去にも別の人に言われたのをふと思い出し、似ているのだなとしみじみ感じると自然と笑みが零れてきた。
それを知ってか知らずか、政宗は泣き止んで笑うひすいをやはり愛しいと思ってしまうのであった。