「でも、いいのか?」
ひすいは躊躇いがちに政宗に問う。
「何がだ?」
政宗は寝床から立ち上がり、ひすいの目の前に立った。
「あんた、好きな女しかこの部屋に入れないんだろ?…俺が既に入ってる時点で嘘じゃねぇか」
時が経ったせいか、ひすいは落ち着いて物事を話せていた。
政宗は大袈裟に肩を上下させ、ため息をついた。
「お前はまだ俺の気持ちを解せておらぬようだな」
「……ああ、さっきも言ってたよな。何なんだよ、その気持ちってのは?」
ひすいが腕を組み、首をかしげると、政宗は優しく微笑んでから一歩を踏み出し、そのままひすいを包み込むように抱きしめた。
「え…」
まさか自分が抱擁されるとは思っていなかったひすいは硬直する。
「忘れたか?五年前から変わらぬ。俺は、お前が好きだ。………ひすいが、愛おしい」
「な、何言って――――」
「お前に愛されたいのだ」
言葉を紡ぐ度に政宗の締めあげる腕の力は強くなる一方であった。
ひすいはようやく状況が把握でき、思考できるようになる。
そして瞳をゆっくりと閉じて、組んでいた腕をその抱擁の中で解き、その手を政宗の胸にあてた。


