奥州の山賊





――――――
―――――――――



ある部屋の襖をゆっくりと開けた。




そこには男が一人、寝床に入っていた。





ひすいは先程預かった豆吉の刃を懐から取り出す。



そして、そのまま気づかれないように男を跨いだ。





「……………これで終いだ!伊達政宗…!!」




ひすいは刃を政宗の喉元めがけて振り落とした。



しかし―――――




その一歩先で腕を掴まれた。




「………何の真似だ、ひすい」




政宗は起きていた。



―――――否、この男は戦乱の世を生き抜いてきた身。

ひすいの殺気を肌で感じたのだろう。




「くそっ!なんでわかって…!」



「夜這いか?」



「は?」




唐突に尋ねられたその言葉が信じられなくて、ひすいは聞き返してしまった。




「とうとう俺の魅力に気づき、夜這いを懇願しに来たのか?」



「馬鹿野郎っ!んなわけねぇだろ、この状況考えたらっ!」




「ふっ、恥じずともよい」




「恥じてねぇ!」




ひすいはもう一度刃を突き刺そうとするが、今度は寸でのところで頭をかわされた。