―――――案ずるな、これでも俺は奥州を平定した身。俺に二言はない。
あの時と同じだ。
どうしてあの人も自分を助けてくれるのだろう?
自分は迷惑をかけたくないとはぐらかしてきたのに、彼は自らその領域に入ってきた。
そして、本日二度目の抱擁……
小十郎とはまた違った温かさだった。
だが、彼の時のような高揚はなく、驚くほど冷静になれた。
―――――それ以前には気持ちを高ぶらせていたのだが。
この違いはなんだろう?
政宗と小十郎は自分にとって一体どういった存在なのか。
わからない…――――――
ひすいが壁から降りると、目の前には豆吉が木の幹に寄りかかっていた。
「姉貴…、待ってたよ」
「豆吉…―――――」
豆吉は彼女の方に歩み寄っていく。
「あ……!豆吉、怪我はしてないか?!<獅子>の奴らに――――」
「姉貴」
ひすいの言葉をその一言で遮る豆吉の表情はいつも以上に真剣だった。
「………何か、あったんか?」
その顔に気づいたひすいも身を引き締めて言った。


