奥州の山賊





「けどっ!あたいはあんたにこれからも生きていて欲しいんだ…」


どくどくと流れる血を止めようと、切り傷に手を押しあてる。



「………そうか、最期の最後でわしは……良い拾い物を、した…みたいだ―――――」




「源九郎…?」




「―――――――」



目は閉じられ、口は半開きになった。




「あ、ああ…。――――――いやぁぁぁああっ!」



血で濡れた手でひすいは顔を覆う。




信じたくない。



あの最強だった彼が死んだ。


憧れてた男が死んだ。


自分を救ってくれた人が死んだ。



認めたくない――――。





「おいっ、あんた!」




不意に後ろから肩を掴まれた。



ゆっくりと振り返ってみると、そこにはずぶ濡れの豆吉がいた。




「…………死んだ」



「え、」




「源九郎は、死んでしまったよ……」



豆吉はひすいとそこに横たわる源九郎を交互に見た。



「大、将……が?」




こくり、とひすいは頷く。




豆吉も信じられないらしく、瞬きさえしていない。



「あんたの頬の血は、大将のなのか?」




「え、あ……」